物理十話 魔術と科学(アンコール回)

新講座

江本 伸悟講師

物理十話 魔術と科学(アンコール回) について

この講座は終了しました。

物理十話

ふと目を遣ると、ひとりの少女が花へと向けてしきりに息を吹きかけている。「何をしているの?」と聞けば、「花は二酸化炭素をすって生きてるの。だからこうしてあげると喜ぶかなって」と微笑む。どうやら花についての一片の知識が、彼女の生きる世界に優しい彩りを添えたようだ。彼女の瞳に映りこんだ花は、はて、いったいどんな笑顔を見せているのだろう。

近代物理学が開花した背景には、自然のなかに存在する全てのものは生きていて、互いに見えない力で繋がりあっているという魔術的な世界観が広がっていた。自然と一体となることによってこの大自然に隠された意味を感じとり、自然と一体となることで自分ひとりでは成し遂げられない何らかをなすという魔術的営みの延長線上に、近代物理学の花はひらいたのである。

この度の「魔術と科学」では、現代においては対置して語られることも多いこのふたつの世界の結びつきを振り返ることで、「人間がよりよく生きるための科学」というものについて考えてみたい。

予約受付終了

物理十話 魔術と科学(アンコール回) 講座情報

講座名
物理十話 魔術と科学(アンコール回)新講座
講師
江本 伸悟講師物理学者
日時
2015年3月6日(金)
19:00-21:00
場所
記憶の蔵
文京区千駄木5-17-3
千代田線千駄木駅徒歩8分
記憶の蔵地図
参加費
3500
定員
20名

『物理十話』について

物理学とは何でしょう。
それは、この世界の真理に触れんとする学問のようでもあり、この世界の美しさを描きださんとする芸術のようでもあります。またそれは、頭をつかって物事を考えていく思索のようでもあり、身体をつかって物事に触れていく行為のようでもあります。

いずれにせよ物理学においていちばん大切なことは、その眼差しのさきにこそあります。
私たちが棲まうこの世界、その豊かな表情に覚醒していくこと、そのための学問であり、芸術であり、思索であり、行為です。

本講座では、物理をめぐる十話を通じて「物理とは」を問い掛けることで、
みなさまと眼差しを重ね、「物理学の風景」を共有していきたいと思っています。
一話一話は独立したテーマを扱っており、それぞれが単独で楽しめるようになっております。