ひとのこころとからだ 第2回:植物意識と動物意識のあわいとしての「わたし」

医学

稲葉 俊郎講師

ひとのこころとからだ 第2回:植物意識と動物意識のあわいとしての「わたし」 について

この講座は終了しました。

ひとのこころとからだ

《講座内容》

「にんげん」は永遠なる「いのち」の流れの中で創造される芸術作品です。
「いのち」が海から陸へとエイヤ!と飛び出した時、様々な場所で大革命が起こりました。

どんな「にんげん」も、ひとつの受精卵細胞(単細胞生物)から、約100000000000000個の生命体(多細胞生物)へと
変化する奇跡的なプロセスを経ています。

初期の受精卵では、動物極と植物極という二つの極へ引き裂かれますが、
その後の発生の過程では、「くだ」としての植物性臓器を覆うように動物性臓器がかぶさります。
こうして、宇宙と共振する植物性臓器はミクロコスモスとして人体の中に秘かに閉じ込められるわけです。
そのことで、「にんげん」は自然と調和的な植物性意識と、反自然的な動物性意識のあわいの存在となりました。

胎児は羊水という海の中から、この世への誕生により陸へと上陸します。
胎児は母体の十月十日で「いのち」が海から陸へと進化した歴史を繰り返すと、三木成夫先生はおっしゃいました。

今回の講座では、そんな植物意識と動物意識の葛藤に悩む「にんげん」を、受精卵の発生と「いのち」の進化の歴史を重ね合わせながらご紹介します。

その上で、宇宙に浮かぶ地球という星に生まれた「にんげん」は、どういうお役目があるかを共に考察しましょう。

予約受付終了

ひとのこころとからだ 第2回:植物意識と動物意識のあわいとしての「わたし」 講座情報

講座名
ひとのこころとからだ 第2回:植物意識と動物意識のあわいとしての「わたし」医学
講師
稲葉 俊郎講師医師
日時
2014年6月30日(月)
19:00-21:00
場所
場所未定
参加費
2500円
定員
定員未定

『ひとのこころとからだ』について

本講座では、人間の「謎」に注目しながら、「あたま」、「こころ」、「からだ」、「病い」、「生や死」・・・それぞれの接点や重なりを考察し、人間や生命に対する深い理解に至れるよう努めます。

病や死は、他者だけではなく自分も含めて誰にでも平等に訪れます。そういう状況に遭遇した時に、ふとこの講座の内容をふと思い出し、別の見方もできるようになればうれしいです。また、聞き手の方が各自で研究や考察を深めて頂き、別の機会で自分にも教えて頂けるとうれしいです。

日々医療の現場で働いていると、生や死や老いや病、人間や自然や魂や生命に関して考えざるを得ません。実際の医療現場では答えが用意されているわけではないので何が正解なのかは分かりません。ただ、その瞬間その瞬間でベストと思われる選択肢を選びながら、共同作業のようにケアやキュアは行われていきます。いづれにせよ、人間とはなんとも不可解で矛盾に満ち満ちた愛すべき存在だとも思います。そこに可能性があります。

「わたし」とは果たしてなんでしょうか。なぜ生や死があり、人間はなぜこの世に生まれて死んでいくのでしょうか。死とはなんでしょうか。死んだら人間はどこにいくのでしょうか・・・・。
自分にもさっぱり分かりませんが、日々の医療現場で膨大な事例に巻き込まれながら、臨床現場を素直に観察しつつ、様々な文献とあわせて考察を深めていくと、色々な発見や驚きがあります。現場から学んだ知見は単なる知識で完結するのではなく、実際に応用できることが多いものです。医療の臨床現場で得た「にんげん」全般に関する知見を対話しながら共有することは、自分にとっての学びでもあります。

自分は、人間の可能性や治癒の力を信じています。可能性にはプラスもマイナスもありますが、それもすべて含めて人間の可能性を信じながら医療現場で働いています。この世界の多様性と個別性を両立させながら、誰もが自分らしく自立して楽しく生きることができる社会をみなさんと創造していきたいと考えています。よろしくお願いします。