放課後の数学 第二回 連続性を立ち上げる~離散から連続へ~

新講座

林 晋講師

放課後の数学 第二回 連続性を立ち上げる~離散から連続へ~ について

この講座は終了しました。

放課後の数学

あるものが「つながっている・いない」とか
ふたつのものが「近い・遠い」とか
そういった日常的な感覚があります。

一方、ガリレオ・ガリレイが
「宇宙という大きな書物は、数学の言語で書かれている」と言ったのは有名ですが、現代の数学は「集合論」というものの上に成り立っています。

これは大まかに言うと全てを「点とその集まり」として捉えるもので、そこにあるのは「点」とその集まりである「集合」。基本的にこれで全てです。
では、りんごとか地球とか宇宙とか、色々なものを
「点の集まり」として捉えたとき、
そこに「つながっている・いない」とか「近い・遠い」といった概念を導入するには
どのようにすればよいでしょうか。

今回は「連続性」をテーマに、それを「点」と「集合」という一見バラバラなものの見方の上にどのように立ち上げるのかその数学的なアプローチをご紹介します。

具体的には
距離とは何か(例えば距離を複数の点の間の関係と捉えたならば、その関係はどういった条件をみたすべきか)
点列の収束をどのように捉え、写像の連続性をどのようにして捉えるか(集合の上に位相とよばれる構造を定義します)。
距離があれば位相が定まる。つまり点列の収束を考えることができますが
一方で位相が入っても距離が入るとは限りません。(例えば「長い直線」と呼ばれているものがあります)
そういった事実に触れながら「連続とは何か」を考えられたら、と思っています。

そして前回と同様に
当たり前のところからスタートして、理論の力を借りて、ちょっと直感の及ばないような対象にアプローチする。そういう「放課後の時間」にしたいと考えています。

****前回の講座*****

「"カタチ"を計算する〜曲げても変わらないモノ〜」

"形"に着目し、図形の"形"をある意味で"計算する"方法を、不変量という考え方とあわせてご紹介します。

ドーナツと球面。それらは同じでしょうか?
球面とその一部を凹ませたもの。それらは同じでしょうか?
違うならば、その違いは何でしょうか?
二つの"違い"は同質の(=同じ概念で区別されている)ものでしょうか?

最先端のテクノロジーによって、超伝導のような普通に生きていたのでは見ることのない現象にアクセスできるように、数学者のあみだしたテクノロジーによって、わたしたちの概念に、あなたの概念に、私がガイドとなってアクセスすることを試みます。

本講座では実際に図形に絵をかいてみるというような、実体験から学ぶことがメインとなりますので、肩の力を抜いた「放課後の」気分でお越しいただければと思います。中高生の参加も歓迎します。

予約受付終了

放課後の数学 第二回 連続性を立ち上げる~離散から連続へ~ 講座情報

講座名
放課後の数学 第二回 連続性を立ち上げる~離散から連続へ~新講座
講師
林 晋講師研究者
日時
2014年3月29日(土)
15:00-17:00
場所
駒場数学ハウス
(京王井の頭線「駒場東大前」駅より徒歩7分。)
※お申し込みいただいた方に詳細お送りいたします。
参加費
2500円
定員
定員未定

『放課後の数学』について

二つのモノが「同じ、違う」というとき、あなたは"それら"をどのように区別しているでしょうか。形、色、手触り、動き、音、など、そこには様々な"理由"があることと思います。
その"理由"とは、あなたではない誰かからすれば、あなたが、先天的にせよ後天的にせよ、それらのモノを区別する判断基準として"ある概念"を持っていることに他なりません。

それはあなたのだけものであると同時に、みんなのものかもしれない。

その概念を、だれもが共有できる形で(=数学的に)、掘り起こしてみましょう。