宇宙のお話 第1回

宇宙論

小林 晋平講師

宇宙のお話 第1回 について

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宇宙のお話

うちゅうのおはなし,新シリーズが始まります!新シリーズは「うちゅうのおはなし・Ø」と題しました。このØという記号は,数学で「何も要素を含まない集まり(空集合)」を表すのに使われます。新シリーズのスタートとなる今回は,まさにØがふさわしい,宇宙の始原とそれにまつわる時空のお話を取り上げます。

宇宙について考えていくと,時間とは何か,空間とは何かという問題に行き着きます。例えば宇宙はどんな形をしているのか,宇宙に果てはあるのかないのか,あるとするならその外側は何なのかという問題を考えていくと,私たちが無意識に仮定している「空間=物質が存在するために始めから用意されている器」という前提が本当に正しいのか疑問が生じてきます。また,宇宙に始まりがあるならばその前は何だったのかという問題は,同じく私たちが当たり前に仮定している「時間とは無限の過去から無限の未来に向かってずっと流れ続けているもの」という考え方では説明し切れない,時間に対する新しい捉え方が必要であることをほのめかすのです。

今回はそのような,宇宙の始まりに関わる時間と空間の問題について,超弦理論などの現代物理学によってわかってきたことについてお話しします。それらは直感とは相容れないもの,つまり身体感覚を通じて理解できるようなものではないかもしれません。しかし,私たちの日常経験から作り上げられた自然観が,実は限られた狭い範囲でしか成立しないことを相対性理論や量子力学が明らかにしたように,時間とは何か,空間とは何か,そして宇宙はどうやって始まったのかを理解するためには,私たちがまだ持ち合わせていない新しい「モノの見方」が不可欠であり,それをちょうど補助輪なしの自転車に乗るための練習のように,それまでは出来なかった体の使い方,すなわち「新しい身体感覚」を獲得していく必要があるかもしれないのです。

うちゅうのおはなし・Øでは,宇宙の進化をその始まりから順に追いかけていきます。それを通じ,科学という自然を解釈する営みが,まるで平面に1次元を加えて空間にするように,並列的ないくつかの視点と直交する別次元の視点を導入することで大きく視野を広げる様子,そして私たちがそこから学べることについて考えてみたいと思います。

これまでのうちゅうのおはなしと同じく,物理や数学の予備知識は必要ありません。大人の方はもちろん,ちょっと背伸びしてワクワクしてみたいお子さんまで,ぜひお越し下さい!

予約受付終了

宇宙のお話 第1回 講座情報

講座名
宇宙のお話 第1回宇宙論
講師
小林 晋平講師東京学芸大学教育学部准教授
日時
2014年6月28日(土)
14:00-16:00
場所
台東区古民家
参加費
3000円
定員
定員未定

『宇宙のお話』について

宇宙は古の昔から私達人間の興味を惹きつけてきました。人は星の並びに星座を見、そこに美しい神話の世界を創造しました。宇宙の魅力は現代でも全く衰えることがなく、ブラックホールや宇宙の始まり、そして時間とは何か、空間とは何かといった究極の問題まで、私達に提示し続けています。

「うちゅうのおはなし」では、そんな宇宙の謎や、それに迫る科学の姿をわかりやすくお話しします。数学や物理の知識は必要ありませんので、お子様から大人の方までお楽しみいただける講座です。
皆さんも、ロマン溢れる宇宙の世界に思いを馳せてみませんか。