物理十話 科学と芸術の身体
新講座
江本 伸悟講師
物理十話 科学と芸術の身体 について
この講座は終了しました。
私たちは、精神を通じてこの世界を「分かる」だけではなく、身体を介してこの世界に「分けいる」ことができる。ときに精神によって外側から自然を理解して、ときに身体によって内側から自然を体験する。こうした往復運動によってこそはじめて感じられてくる、自然の奥行きというものがある。
この単純な事実は、しかし、学問の世界において常にただしく認識されていたわけではない。自然そのものに触れることによって、自然に対する造詣を深めてゆくことができる、それを教えてくれたのは、それまで学問に資することはないとされていた芸術家や職人、あるいは船乗りといった人々であった。芸術家が自然を表現する技法、職人が自然に働きかける作法、船乗りが自然を旅する航法。全身をもってこの世界へと頷いていく彼らの姿勢こそが、かつて科学の世界に新たな身体の次元をもたらし、それは現代の科学者にまで脈々と受け継がれている。
このたびの『科学と芸術の身体』では、描き、造り、旅する人々が科学の世界にもたらした身体性というものについて考えてみたい。
予約受付終了
物理十話 科学と芸術の身体 講座情報
- 講座名
- 物理十話 科学と芸術の身体新講座
- 講師
- 江本 伸悟講師物理学者
- 日時
- 2015年9月13日(日)14:00-16:00
- 場所
- 記憶の蔵
文京区千駄木5-17-3
千代田線千駄木駅徒歩8分
記憶の蔵地図 - 参加費
- 3500円
- 定員
- 定員未定
『物理十話』について
物理学とは何でしょう。
それは、この世界の真理に触れんとする学問のようでもあり、この世界の美しさを描きださんとする芸術のようでもあります。またそれは、頭をつかって物事を考えていく思索のようでもあり、身体をつかって物事に触れていく行為のようでもあります。
いずれにせよ物理学においていちばん大切なことは、その眼差しのさきにこそあります。
私たちが棲まうこの世界、その豊かな表情に覚醒していくこと、そのための学問であり、芸術であり、思索であり、行為です。
本講座では、物理をめぐる十話を通じて「物理とは」を問い掛けることで、
みなさまと眼差しを重ね、「物理学の風景」を共有していきたいと思っています。
一話一話は独立したテーマを扱っており、それぞれが単独で楽しめるようになっております。