音語り オト語り×モノ語り

定期講座

本郷 幸子講師

音語り オト語り×モノ語り について

この講座は終了しました。

音語り

毎回違ったテーマで、生の演奏とお話をお楽しみいただく「音語り」ですが、
今回は、初の試み、他の講座とのコラボレーション企画です!

題して「オト語り×モノ語り」

前半は、NOTHで講座「物理十話」を開いている物理学者の
江本講師に語っていただき、後半は音楽のお話と演奏をします。

物理の話というと、高校の授業、質量、力、運動など・・・
計算をしなくてはいけないのかな?そんな風に思われる方も
いられるかもしれませんが、江本講師のお話は何だかすこし様子が違います。

「私たちの身辺には、いまだ私たちが気づいていないような多くの生命現象が満ちている。そうして、これまで気づいていなかった生命の存在に気づいたとき、私たちはなんだか嬉しくなる。この喜びこそが、科学という営みの本命なのである。」(物理十話より)

花が開き、若葉が芽吹き、虫たちが蠢く春。
生命がまさに満ちあふれてくる季節。

そんな生きものたちの営みも、
どうやら、科学(物理)という物差しを通して、
その先に見える風景があるらしい。
咲き乱れる花には知性があるかもしれない、
土に蠢くダンゴムシにも心があるかもしれない、
はたまた、砂浜を移動するカニの群れにも意識が宿るかもしれない。。。

なんだかワクワクしてきませんか?

そして、そもそも、自分はどういう風に風景を感じているでしょうか。何をモノとして感じて、何をコトとして感じているでしょう。太陽はモノでしょうか?コトでしょうか?ろうそくはモノでしょうか?コトでしょうか?

?????

そんなお話を引き継ぎ、後半「オト語り」では、
音楽の生命力の源ともいえる「リズム」について
お話したいと思います。赤ちゃんのときにいつも聞いていたお母さんの心臓の音、寄せては返す波の音、日々話すことばのなかにも、リズムが息づいています。人間にとっての「一瞬」とは何秒でしょうか?呼吸と心臓を打つ回数はどう関係しているでしょうか?そして、音楽では、どのように音が息づいているのでしょうか。

「春」の愛称で親しまれているベートーヴェンの名曲 ヴァイオリンソナタ第5番を例にして、メロディーを解体してみたり、リズムの要素を抜き出してみたり、 いろいろ変化をつけ、どのように感じるか体験していただきます。そして、講座の最後は、全楽章通して、演奏をどうぞお楽しみください。

「生命に満ちた風景を見たい!自然のすべてが生命として感じられるような世界を立ち上げるために、科学をやっている」
と語る江本講師。その世界に対する眼差しは、誠実で、やさしく、お話を聞いたあとには、きっと、自分のなかのなにかが変容するのを感じられると思います。

音楽と物理。オトとモノとコト。
一粒で二度美味しい、そんな企画になりますように。

予約受付終了

音語り オト語り×モノ語り 講座情報

講座名
音語り オト語り×モノ語り定期講座
講師
本郷 幸子講師ヴァイオリニスト
日時
2016年5月1日(日)
18:30-20:30
場所
Studio Andantino
東京都北区田端 5-1-12 Villa Andantino
http://studio-andantino.com/access.html
第3スタジオ(1階)(5/1)
参加費
3500円(学生2000円)
定員
定員未定
曲目
メンデルスゾーン / 春の歌
ベートーヴェン / ヴァイオリンソナタ第5番「春」
備考
講座後、みなさんで、すこしお食事に
行けたらと思っています。お時間のある方は
よかったらご参加くださいませ。
出演
江本伸悟(モノ語り)

1985年山口県生まれ。

2004年東京大学理科1類入学。2008年東京大学工学部卒業。
2011年東京大学大学院にて科学修士取得、先端エネルギー工学優秀賞受賞。

現在、博士課程にて非線形科学の研究を営む。
教育に関して大人が子供に与えることのできる1番のプレゼントは、大人自身が学問を楽しみ、溌剌とした学びの姿勢を見せてあげることだという想いから、この世界を新しい視点から眺めるための「文化としての科学」について東京近辺にて適宜講演している。




本郷幸子(オト語り・ヴァイオリン)

東京藝術大学、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学を卒業。ドイツヘッセン州立ヴィースバーデン歌劇場オーケストラにて、3年半研鑽を積む。これまでに札幌 Pacific Music Festital(PMF)、ドイツ シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、フランス ナント市 ラ・フォル・ジュルネ音楽祭などに参加。2010年夏、ドイツより帰国。
現在は、上野学園大学ヴァイオリン科非常勤講師として後進の指導をしながら、
横浜シンフォニエッタ、クァルテット・オチェーアノなどのアンサンブルを始め、
幅広く演奏活動をしている。寺子屋NOTH.JPでは、広く一般に音楽を
楽しみ深めていただく場として、講座「音語り」を開催。
能楽師 安田登先生の寺子屋では、2014年より年末の「音楽寺子屋」として出演。

http://sachiolin.wix.com/sachikohongo3



村本麻里子(ピアノ)

兵庫県立西宮高校音楽科、東京藝術大学卒業。ベルリン・ハンスアイスラー音楽大学を経て、ドイツ国立シュトゥットガルト音楽大学卒業。帰国後、神戸学院グリーンフェスティバルにおいてソロリサイタルを行うなどソロ活動の他、室内楽奏者としても、声楽や管弦楽器など様々な楽器奏者と共演している。
2010年より始めた「ベートーヴェン室内楽シリーズ」では、ヴァイオリン&チェロソナタの全曲演奏に挑戦中。
2011年ドイツ・ブレーメン(於:ザンクト・シュテファン教会)で
「歌の慰め」と題した歌とピアノによるコンサートを行い、現地新聞でも取り上げられた。2012年より地元所沢で「ブランチコンサート」を主宰し、既に17回、自身のソロや
室内楽コンサートを開催。2014年広島県尾道市「平山郁夫美術館」に於いて平山郁夫没後5年の追悼記念コンサートに出演。

『音語り』について

音楽は予備知識がなくても楽しめてしまうのが魅力でもありますが、この講座では、文字通り「音と語り」で、その世界をより深めていきます。間近で聞く生の音色はひとあじ違います!どうぞお楽しみください。

*

音楽は音の織物。

その完成品を味わうだけでなく、その糸がどう紡がれたのかを紐解いて、共に学び、発見し、深める場をつくれたらという思いで、音語りを始めました。「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに」という井上ひさしさんの言葉を胸に。音楽の世界の新しい扉が開かれ、より親しみを持っていただけたら幸いです。

※この講座は、演奏だけではなく、毎回違うテーマに沿って様々なお話を入れながら進みますので、通常の演奏会とは異なります。その点をご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。